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仮面の男 [映画・DVD]

本日は少し昔の映画『仮面の男』を紹介します。

アレクサンドル=デュマの作品「三銃士」はご存知でしょうか。アトス、アラミス、ポルトスという3人のフランスに忠義を尽くす男たちです。

この作品の舞台はルイ14世のころのブルボン朝フランス。ルイ14世を有能で精力的な王とみるか、浪費をした王とみるか、いろいろな見方があるでしょうが、この作品では少なくとも初めの段階ではルイ14世を浪費により人々に貧しさを与えた王として描かれています。ヴェルサイユ宮殿の建設とそこでの奢侈、スペイン継承戦争(だと思う)への戦費などたくさんのお金を使ったイメージで描かれています。

そのような状況を変えようとしたのが「三銃士」たちで、彼らは大胆な策を立て、王様をとりかえようとする・・・・・・というお話です。ちなみによく言われる「一人はみんなのために・・・」という言葉は三銃士の言葉のようです。

この話の少なくない部分はフィクションでしょうが、世界史学習的に見て興味深い点があるので紹介します。どのような点かというと・・・

1.王の強力な統治(絶対王政)の典型的なイメージを抱ける。
2.これを見れば、ルイ14世とヴェルサイユ宮殿を忘れることはあるまい。
3.王権神授説をとても分かりやすく示す台詞がある。王は神であり、過たないという思想がわかる。
4.バスティーユ牢獄が登場する。(ちなみに、バスティーユ牢獄に仮面をつけた囚人が実際にいたらしい)。

ちなみに原作の「三銃士」には、マザランなどの世界市場の人物がガンガンでてくる模様。




仮面の男 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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エルネスト [映画・DVD]

だいぶ前になりますが『エルネスト』という映画を観ました。キューバ革命の立役者で若者の永遠のヒーロー、エルネスト=チェ=ゲバラという人物がいます。彼から、彼と同じエルネストという名を与えられたフレディ前村という日系人がいました。その人の活動をつづった、ドキュメンタリータッチの映画です。彼はキューバへ、医学を学ぶために行くのですが、そこでボリビアの危機に接し、彼自身ゲリラ軍の一員としてゲバラたちとともにボリビアでの戦いに身を投じていく、という話です。その際に軍隊での必要性から、彼に「エルネスト」というコードネーム?が与えられたのです。ゲバラ自身も医学生だったので、自身と重なったのでしょうか。

題材上、激しいゲリラ戦の描写がてんこ盛りかと思ったのですが、ゲリラ戦は最後の部分だけで、ほとんどは伝記的にフレディの生き方を描いています。非常に興味深い作品ですが、「ゲリラ戦スペクタクル」や「エンターテインメント」という感じではありません。

作品の冒頭では、ゲバラが日本に来て広島を訪れていたという話が扱われており、ゲバラの戦争観もみられて非常に興味深い。また、スペイン語の響きはとてもきれいでした。
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否定と肯定 [映画・DVD]

映画「否定と肯定」を観ました。内容は、ホロコーストを巡る裁判で、実話に基づいているようです。
ホロコーストとは、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大虐殺のことを意味します。この歴史的出来事を否定する、つまり、「ホロコーストはなかった」と主張するホロコースト否定論者がいます。映画ではアーヴィングという人です(実在)。アーヴィングは、リップシュタットという人が本において自分を侮辱したと裁判に訴えました。リップシュタットはホロコーストの存在は自明であるとしており、「アーヴィングのことを偏見を持っている、歴史をねつ造したと名誉棄損した」と訴えられたのです。イギリスでの名誉棄損の裁判なのですが、そこでは、「訴えられた人が自分の無実を明かさねばならない」という制度があるようで、リップシュタットと弁護士、歴史学者のチームは、文献やアーヴィングの日記、アウシュビッツ収容所の実地検証などを行い、アーヴィングの欺瞞性を明かそうとしていきます・・・

作品は歴史学の使命や歴史学の社会的意義といったところまで触れ、歴史ファンにとってとても意義深い作品でした。それだけでなく、法廷での議論のシーンは法廷物としても注目してみることができます。派手なアクションなどはありませんが、上映時間の間まったく目を離すところのない作品でした。




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映像の世紀 [映画・DVD]

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これが名作だということは知っていたのですが。値段が3万円近くしたので、しばらく買えなかったのです。今回は、ボーナスを利用して買ってしまいました。

大学の教職に関する講義でも勧められた作品でしたし、これを推す多くの人もいました。さっき届いたので、まだ観ていませんが、観るのが楽しみです。

近現代史は、実録映像が多いので、授業でも活用できそうです。

なお、これは「新・映像の世紀」ではなく、「映像の世紀」のデジタルリマスター版とのことです。

観たら紹介の記事も書きたいと思います。


NHKスペシャル デジタルリマスター版 映像の世紀 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
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プリンス・オブ・エジプト [映画・DVD]

今日は、旧約聖書の『出エジプト記』を題材にしたアニメーション映画『プリンス・オブ・エジプト』を紹介したいと思います。

『出エジプト記』とは、簡単に言ってしまえばモーセの物語です。エジプトで過酷な労働を強いられていたとされるヘブライ人(ユダヤ人)たちを脱出させたモーセの話です(1)。

モーセは、赤ちゃんの時にナイル川に流され、拾われて王宮で育ちます。成長して山へ行ったときに、モーセは燃える木を目撃します。それは神ヤハウェであります。モーセにヘブライ人を救うようお言葉をかけます。モーセはエジプトに帰り、様々な奇跡を起こしてファラオを動かそうとします。そして最後には神との約束の地イスラエルへと行く…というお話です。脱出後も苦難があり、神からの支持もあるのですが、それは映画では割愛されています。あくまで脱出までを描いています。

もちろん映画なので、『旧約聖書』とは違っていたり、原作にないことが書かれていたり、割愛されていたりするところは多々あります。映画では、モーセをラムセス(ラムセス2世だろう)の兄弟として描き、幼き日の交流をたっぷり描いていますが、旧約にはその記述がありません(2)。燃える木とモーセの会話は、比較的忠実に描かれていると思います。若干セリフの前後の入れ替わりはあるが。

エジプトに対するアブやカエル、血の水の災難はかなりの迫力をもって、まとめて描かれている。旧約でかなり出番の多いアロンは、映画ではほとんど出番がない。脱出に際して、パンを作れという話は映画では割愛されている。等々がパッと見てわかる相違点だと思います。

モーセが杖を蛇にし、神官たちと対決するシーンは映画では旧約よりたっぷりと描かれています。エジプトの神の名が神官によって唱えられる場面は、多神教と一神教という違いを描くのに成功しているといえます。

ミュージカルアニメだけあって、歌は個人的に好きです。「救いたまえ」の歌が迫力があり、冒頭から作品世界に引き込まれます(3)。ヘブライ語の歌詞もあるらしいです。

これを観て、一緒に『出エジプト記』も読んでみると理解が深まり、よいのではないでしょうか。『出エジプト記』は、『旧約聖書』の中で読みやすいものだと思います。


プリンス・オブ・エジプト [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD





旧約聖書 出エジプト記 (岩波文庫 青 801-2)

旧約聖書 出エジプト記 (岩波文庫 青 801-2)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/01/16
  • メディア: 文庫





(1)出エジプトの史実性については、議論しない。ただ、旧約聖書に描かれていることと映画で描かれていることの相違は、触れる。

(2)旧約では、拾われて次の章では、大人になっている。関根正雄訳『出エジプト記』岩波書店、10ページ。

(3)気になる人は、「deliver us 」で検索してみてください。そういう題名です。




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ナイト・ミュージアム3 [映画・DVD]

観てきました。笑いどころが多く、素敵な作品でした。

ネタバレに留意しつつ、世界史的な観点も含めて書いていきたいと思います。

登場キャラクターは、1,2でおなじみのアメリカ元大統領のセオドア=ルーズベルト、フン族の王アッティラ、ローマの皇帝オクタヴィウス(オクタウィアヌス)、ネアンデルタール人、西部開拓時代のジェデダイア、アメリカの探検隊を案内したサカジャウィアです。本作で初登場したキャラクターは、『アーサー王物語』のランスロット、東南アジアのガルーダ神の像、インドの神々の像、ギリシア彫刻などです。神や像関係はチョイ役です。

サブタイトルは「エジプト王の秘密」で、最初の発掘現場の場面など、ややエジプトっぽいものがみられます。

世界史のお勉強という観点での、見どころを挙げておきます。

1.ローマの街
なんと、オクタウィウスにとっては懐かしいローマの街の展示が登場します。あるローマでの出来事が再現されるのですが、それが何かは見てのお楽しみ。

2.大統領の名言
なぜかケネディの「君たちが国のために何ができるかを問いなさい」というセリフをルーズベルトが言っています。さらに「棍棒(こんぼう)を掲げて穏やかに話せ」というセリフも登場しました。まさかこれが聞けるとは。

3.宗教
一神教と多神教、出エジプトをめぐる会話が出てきます。寛容の精神がさりげなく説かれている。なお、今回登場したファラオ(たぶん架空だと思う)は、「出エジプト」以前のファラオであるようだ。

4.東洋趣味?
大英博物館の展示物で、水墨画などが出てきた。

どうも、続編はなさそうだ。もっと動き回る世界史の人物を見たかったのだが、残念だ。

あらすじ等気になる方は、公式のウェブサイトをご覧になるとよいと思います。
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異色のキリスト教関連DVD [映画・DVD]

ブログに書きたいねたはいくつかあるのだが、諸事情でなかなか更新できませんでした。そろそろできそうなので、更新します。

キリスト教に関する映画といえば、何を思い浮かべるでしょうか?『パッション』『最後の誘惑』『ジーザス 奇跡の生涯』(これは紹介済み)など、イエス様の生涯を描いたものを重いうかばるかたも多いでしょう。

今回は、それらとは違った異色の作品を2本紹介します。1作目は『サイン・オブ・ゴッド』という作品です。ドイツ映画です。聖痕の話ではありません。エルサレムの発掘調査中、未来から来たらしい人の死体が発見されます。しかもその人は、イエス様をビデオで録画したらしい・・・。そのビデオをめぐり、いくつかの組織が対立しつつ、真相に迫っていく・・・という話です。特に何かの史実を映画化したわけではもちろんありません。

しかし、テーマは舞台がエルサレムなだけあって、いくつかキリスト教的なものが出てきます。『聖書』、ユダヤ教ですが嘆きの壁、修道院の様子、などが登場します。

2つ目は、『コンスタンティン』という映画です。キリスト教映画とするにはどうかという説もありますが、登場人物の命名や天国と地獄、エクソシスト、などのガジェットはキリスト教的なものといえます。

話は、悪魔祓い師(エクソシスト)のコンスタンティンが、ある女性が自殺かそうでないかを探っていくうちに、そこに悪魔が絡んできて、悪魔との戦いに乗り出していくというものです。

イエスを殺したとされる「ロンギヌスの槍」、地獄の描写、自殺の罪の重さ、懺悔の様子、サタン、マモン、ルシファー、ガブリエル・・・などのキリスト教的なものが各所にちりばめられています。

どちらも、キリスト教を学べる映画というよりは、キリスト教的な何かに触れるという映画といえるでしょう。話的にはどちらも楽しめるものだと思います。

奇跡をテーマにした映画なども観てみたいと思います。奇跡には水をワインに変える、見えない人の目を癒す、限りなきパンを与える、などがあります。パンを与える、というのは紛れもない奇跡なのですよ。必ず誰かが救われているのです。


コンスタンティン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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サイン・オブ・ゴッド [DVD]

サイン・オブ・ゴッド [DVD]

  • 出版社/メーカー: パンド
  • メディア: DVD



カーツーム [映画・DVD]

DVD『カーツーム』を観ました。カーツーム(ハルツーム)は、英国のゴードン将軍とスーダンのマフディー(ムハンマド=アフマド)の戦いが起こった土地です。

19世紀のイギリスは帝国主義の時代で、アフリカにもその触手を伸ばしていました。特にアフリカを建てにつなぐ縦断政策を構想し、エジプト、そしてスーダンを支配し、南アフリカとつなぐということになってきました。そんなイギリス(とその支配下のエジプト)に対して、救世主(マフディー)をなのるムハンマド=アフマドが反乱を起こします。イギリスから歴戦のゴードン将軍がマフディーを迎え撃ちに出陣。

始まりはナイル川の描写からです。続いて、大規模な戦闘の場面。人数がものすごく迫力大。その後ゴードン将軍が出陣を決意する場面。ゴードンはカーツームに行くが、英国の援軍はなかなか来ない・・・。

見所の1つ目は戦い。広大な砂漠や川が戦場で、しかも、戦闘参加人数が恐ろしく多いので壮大です。ただし、戦術に特に面白いところがあるというわけではありませんでした。船と陸地の撃ち合いなどもありました。

2つ目はゴードンとマフディーの対談です。2人は2回、出会って話をします。それぞれの理想を語るが、お互い相容れず、戦うほかないということを2人は感じます。マフディーはゴードンを認め戦いたくないというが、それもかなわない。

3つ目は景色。ロケ地がどこかはわかりませんが、乾燥帯の窓が小さい住居、さばく、川など多分アフリカのでっかい景色が見られます。


カーツーム [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2011/06/21
  • メディア: DVD



スパルタカス [映画・DVD]

スパルタカスの映画というとカーク・ダグラスが演じているものが有名なほうですが、私は、授業で吹き替え版が必要だったこともあって、2004年版のほうを見ました。

ストーリーは、スパルタカスが金鉱で働いていて、奴隷主に反抗するところあたりから始まります。そこで「見込みあり」とされ、剣闘士よう正常に連れてこられ、訓練と戦いをさせられます。そこである出来事をきっかけに大反乱を起こし、多くの人々も呼応して、乱は大規模になっていき・・・。という話です。

クラッスス、ポンペイウス、カエサルののちの第一回三頭政治トリオも登場します。スパルタクスの動きだけでなく、ローマ権力側の駆け引きや思惑なども描かれています。

スパルタカスがとにかくかっこいいのだ。「王」スパルタクスに馬が献上されたときの「王ではない、自由の民だ」「勝てば馬などいくらでも手に入る。死ねば馬など要らない」あたりの台詞がかっこいい。そのほかのところでも、自らの理想とするところを大いに語る反面、おかれた状況をよく見つめているという印象をもうける人物だった。ただ反乱の理念を語る言葉は「近代的」過ぎる気もする。まあよい。

戦いの派手さは、1960年のカーク・ダグラス版のほうが大きいかもしれない。特にラストバトルの描き方はそんな感じがする。プルタルコスが『英雄伝』で描いている調理場から焼き串などを持って反乱を起こした様子が描かれていなかったのは残念。

スパルタクス自身は権力への正戦を行った人物と見られるようで、後にはドイツで社会主義系の団体「スパルタクス団」が形成されていたりもする。

授業で見るなら、最後の戦いからその後のローマへつながっていく部分や剣闘士(間違っても長安へ行ってはいけない)がどのような存在だったのかがわかる前半の部分、などがいいかもしれない。


スパルタカス(2004) [DVD]

スパルタカス(2004) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
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