プリンス・オブ・エジプト [映画・DVD]

今日は、旧約聖書の『出エジプト記』を題材にしたアニメーション映画『プリンス・オブ・エジプト』を紹介したいと思います。

『出エジプト記』とは、簡単に言ってしまえばモーセの物語です。エジプトで過酷な労働を強いられていたとされるヘブライ人(ユダヤ人)たちを脱出させたモーセの話です(1)。

モーセは、赤ちゃんの時にナイル川に流され、拾われて王宮で育ちます。成長して山へ行ったときに、モーセは燃える木を目撃します。それは神ヤハウェであります。モーセにヘブライ人を救うようお言葉をかけます。モーセはエジプトに帰り、様々な奇跡を起こしてファラオを動かそうとします。そして最後には神との約束の地イスラエルへと行く…というお話です。脱出後も苦難があり、神からの支持もあるのですが、それは映画では割愛されています。あくまで脱出までを描いています。

もちろん映画なので、『旧約聖書』とは違っていたり、原作にないことが書かれていたり、割愛されていたりするところは多々あります。映画では、モーセをラムセス(ラムセス2世だろう)の兄弟として描き、幼き日の交流をたっぷり描いていますが、旧約にはその記述がありません(2)。燃える木とモーセの会話は、比較的忠実に描かれていると思います。若干セリフの前後の入れ替わりはあるが。

エジプトに対するアブやカエル、血の水の災難はかなりの迫力をもって、まとめて描かれている。旧約でかなり出番の多いアロンは、映画ではほとんど出番がない。脱出に際して、パンを作れという話は映画では割愛されている。等々がパッと見てわかる相違点だと思います。

モーセが杖を蛇にし、神官たちと対決するシーンは映画では旧約よりたっぷりと描かれています。エジプトの神の名が神官によって唱えられる場面は、多神教と一神教という違いを描くのに成功しているといえます。

ミュージカルアニメだけあって、歌は個人的に好きです。「救いたまえ」の歌が迫力があり、冒頭から作品世界に引き込まれます(3)。ヘブライ語の歌詞もあるらしいです。

これを観て、一緒に『出エジプト記』も読んでみると理解が深まり、よいのではないでしょうか。『出エジプト記』は、『旧約聖書』の中で読みやすいものだと思います。


プリンス・オブ・エジプト [DVD]

プリンス・オブ・エジプト [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD





旧約聖書 出エジプト記 (岩波文庫 青 801-2)

旧約聖書 出エジプト記 (岩波文庫 青 801-2)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/01/16
  • メディア: 文庫





(1)出エジプトの史実性については、議論しない。ただ、旧約聖書に描かれていることと映画で描かれていることの相違は、触れる。

(2)旧約では、拾われて次の章では、大人になっている。関根正雄訳『出エジプト記』岩波書店、10ページ。

(3)気になる人は、「deliver us 」で検索してみてください。そういう題名です。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。