シューベルト『魔王』がかっこいい件について [近代ヨーロッパ]

ロマン派についてまとめる前に、今日は、聴いてみてもうそりゃあ、かっこいいと感じたので、そんな感想を書きたいと思います。実はこの曲自体は、中学校の音楽の時間に習っていて、一部の日本語のせりふは今でも覚えています。(今回聴いているのはドイツ語です。大学でドイツ語を習ったとはいえ、一部知っている単語があるという程度だ・・・)。そのころは、それほど聴いてそれほどかっこよさを感じたような記憶もないが、まあいいでしょう。

最初からして引き込まれます。恐ろしげな雰囲気、夜、馬の音(多分)が全部伝わってきます。だけど、ナレーションの声や父親の声が魔王っぽく聞こえてしまったり、魔王の声が(誘っているからだと思うのだけれど)やさしく聞こえたりしました。音楽も盛り上がって、子供の叫びとナレーションに力が入っています。

ドイツ語の歌詞はwikipediaで調べることができます。英語とドイツ語は似ているところも多いので、なんとなく意味がつかめる部分もあるかもしれません。Du≒You、Mit≒With 、など。もしかしたら皆さんも中学時代に習っているかもしれませんね。

シューベルトはロマン派に分類され「歌曲王」とも言われます。「魔王」は10代のとき、文豪ゲーテの詩を題材として作ったという。彼は貧しかったが、彼の音楽を愛する友人に恵まれたという。その他歌曲としては『冬の旅』などの作品がある。



nice!(0)  コメント(10)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 10

たかと

毎度質問すみません(泣)調度清がいじめられまくって大分悲しくなってた所までやりました。その中の太平天国の乱後の同治の中興での、思想にあった中体西用は、現在の中国で問題にある所謂「パクリ文化」に繋がるのでしょうか?是非先生の見解を。あと家にベートーベンらしきクラシックCDがあったので聴いてみます!!
by たかと (2011-08-18 18:18) 

morning-trap-ice

たかと様へ
な、な!そこまで予習してしまったとは、恐れ入りました。中体西用は基本的にはヨーロッパの技術を取り入れようという発想でしたね。これはパクリにつながるか、どうか、ということですが・・・。

確かにまねとはいえますが、それがいわゆる「パクリ文化」(この言い方もあまりいい言い方ではないとも思うけど)かというと、少し違う気がする。理由は2つ。

1つ目は、そもそもヨーロッパのほうから、ご存知のようにイエズス会が技術を伝えたという過去のいきさつもあるので。2つ目は、この時代にヨーロッパの技術を取り入れるという発想をしたのは清に限らないということ。たとえば、オスマン帝国でも、旧来の「イェニチェリ」から西洋式軍隊
への改革というのが見られたし、日本にも「和魂洋才」という発想があった。産業革命もイギリスから各国へ波及したように、製紙法も中国からイスラーム、そしてヨーロッパへと広がったように、技術には伝播する傾向があるんじゃなかろうか?いわゆる近代化というのは、いってみればヨーロッパ(欧米)化のことだから欧米流の技術や政治制度などを取り入れるケースは頻繁にありますね。

CDあったのですか。ぜひ聴いてみてください。よい週末を。がんばっていますね!!
by morning-trap-ice (2011-08-18 22:36) 

たかと

パクリ文化は言い過ぎました。すみません。しかしテレビで見るには工場で働く人の部品の扱い方が凄く乱雑に見えます。まさに粗製乱造と表現出来ると思います。教科書の説明だと「自国の倫理感などの文化を基盤として他国の文明などを利用する」、のような事が書かれていました。僕はその「利用する」という表現に目がつきました。この表現は西洋技術を取り入れるだけであって、西洋の技術への尊重さが欠けている気がします。このことから現在西洋でできた物が結構占めているなかで中国はナショナリズム?が強いと感じました。そこから西洋や他国でできた物を作る上で他国に対する尊重さが欠け、先程書いた粗製乱造のような状況になっているのかもしれないと思いました。この拙文で僕の主張が感じられないかもしれないと思いますが、どうか御意見お願いします。あと世界史の読み込みが一回しか出来ないかも。二回は出来ると思ってましたが、無理っぽいです…
by たかと (2011-08-19 09:17) 

morning-trap-ice

たかと様へ
確かに、製造にたかと様のおっしゃる面は見受けられますね。もっと言うと、労働者への待遇そのものが・・・という面もあります(この問題は表裏一体をなしている:産業革命を考えるとなんとなくわかる)。それに、おそらくお考えのとおり、ああいうまねには知的財産やオリジナリティへの尊重といったものがかけているといえます

同じく相手のよいものを取り入れる場合でも、確かに、「利用してやれ」と「それを尊重しつつ、発展させたい」というのでは天地の差ですものね。(大学で論文を書くときにほかの人の考えに対して後者の考えを持つことがとても大切です)。

まあ、ナショナリズムの問題に関しては、それなしでは近代国家は成立しませんし、帝国主義支配からの脱出に被支配国のナショナリズムが果たした力は大きいので、歴史的経緯から見るとまあわからないでもない。

歴史的に見ると、中華思想というものがあったことは確か。どちらかというとナショナリズムというより、愛国主義か。(厳密にはナショナリズムは愛国主義とイコールではない。前者はある政治的な共同体、国を同じ文化でまとめようという発想。必ずしも愛とは限らない)。

すべてを勉強することはできないけれど、いろいろな制度や技術がどのような理念や経緯によって生まれてきたか、そういったことを少しでも学べるのも、世界史の大切なことだなぁとたかと様のコメントを読んで思いました。


by morning-trap-ice (2011-08-20 01:12) 

とし

中国は国土が広く、交易もあらゆる民族と行っていました
自分たちで開発するより、他国から入ってくる方が早いし、それを利用した方が合理的という考えから「パクリ文化」のベースとなる考えを作ったのではないかと思います
問題は時代の流れる速さが変わってしまったことでは?
要するに学習した他国文化を独自発展させる時間がないのです
世界の速さが変わり過ぎました
情報網にせよ、交通網にせよ

by とし (2011-08-20 23:58) 

たかと

先生の説明から世界の現状が少なからず世界史に関係していることを確信しました。ナショナリズムと愛国主義の違いも分かりましたし。ありがとうございます。
by たかと (2011-08-21 00:00) 

とし

もうひとつ書き忘れました
パクるだけでなく、世界史において中国は偉大な発明をしていますよ
「火薬」
これがなければ流れなかった血もありました
これがなければ花火を見て美しいと思うこともありませんでした
世界のありかたを変えた偉大な発明の一つであります

・・・そういえば日本の風物詩「花火」
発祥は中国だったような(汗) 
by とし (2011-08-21 00:05) 

morning-trap-ice

とし様へ
考えさせられるコメントありがとうございます。確かに、他国との交流が盛んであれば、それだけ他国のものの影響を受け、他国のものを取り入れるということは起こりやすくなるでしょう。

ただし、「それを利用した方が合理的という考えから「パクリ文化」のベースとなる考えを作ったのではないかと思います」というところまでいけるかは、不明(よく考えたと思いますが)。シルクロードの要衝にある国や、広範囲の貿易が行われた国などの文化の様子も検討してみないと。

しかし後者の指摘はたぶん現代社会の諸問題を考える上で重要な指摘だと思います。確かに現代文明は、自動車での移動などに見られるように、速さを求めた。その結果として、環境問題が起こった。(という面がある)。

さらに、ハイスピードを実現したからといって、時間が余ってわれわれが暇になったかというと、多分そうではない。むしろ、作り出した速さを追うために忙しくなった面がある。文化(と授業の道具)は暇から生まれるものだから。自分たちで生み出した速さを自分たちで追いかけるような状況。(論点がずれたけど、多分速さの問題の指摘はとても大切だと思うよ)。

by morning-trap-ice (2011-08-21 01:25) 

morning-trap-ice

たかと様へ
どういたしまして。隠された、今まで気づかなかった関係性を見つけ出すのは、世界史に限らず、学びの面白さのひとつだと思います。

先走っていうと(あとで習うことを含んでいる)、現代世界の問題は世界大戦、冷戦抜きでは考察できない。そして世界大戦は、たとえばレーニンの学説を採用すると、資本主義抜きでは語れない、資本主義は産業革命から生まれている。産業革命のためには、第二次囲い込み、三角貿易、科学革命・・・ryという風にどんどんさかのぼっていけるのだ。(よく考えると当然だが)。

そのほかにも、過去の国や制度などといまを比べるというのも、世界史の生かし方かもしれませんね。
by morning-trap-ice (2011-08-21 01:32) 

morning-trap-ice

とし様へ2

火薬の発明は中国ですね。確かにそれは、戦争の規模をでっかくしたが、花火の美しさを生み出した。そのとおりですね。ここには先日たかと様のコメントにあった技術の精神などの問題も関連しているかもしれません。

ちなみに、羅針盤と活版印刷も中国の発明なんですが、これは一般にルネサンス3大発明といわれています。この辺にも、世界史の問題のひとつ、ヨーロッパ中心の見方がありそうです。そしてその見方は、日本の中国観、もっと言えばアジア観にも影を落としている。これらの議論に関しては思うところがあるので、いずれ書きます。
by morning-trap-ice (2011-08-21 01:47) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。