そこにゆけば、うまいものが食えるという [地理人]

皆さんは、インドカレーの店を見たことがないだろうか?あの、一見入りにくいような店を。今日は、そんな店にふらっと入って、地理を考えてみることのススメを書きたいと思います。

まず、入りにくいのではないか、というイメージを緩和しておく必要があります。多くある店の中では、無論入ったことを後悔させてくれるような店もあるのかもしれません。しかし、経験上は、ほとんどの店は気軽に入って大丈夫です。少したどたどしいかもしれませんが、素敵な日本語で歓迎してくれます。むしろ、水をすぐにもってきてくれたり、辛さの確認をしてくれたと、こちらが恐縮してしまうほどです。

メニューを見ると、いろいろなカレーがあります。チキンカレーはもちろん、豆のカレー(ダルカレー)やほうれん草のカレー(サグカレー)など、あまり見慣れないものもあります。ビーフカレーがないところに、ヒンドゥー文化を見ることができます。(ヒンドゥー教は、神の載る神聖な生き物ということで牛を食さない。乳製品はよい)。ポークカレーはある店とない店がある。インド系かネパール系かで違うのかもしれないし、イスラームの人がいるかいないかによるのかもしれない。他方で、ヒツジ(マトン)のカレーはほぼあるといってよい。乾燥帯の気候の部分を忍ばせる。

このように、肉一つ見てもそこからいろいろな地理的状況・文化が浮かんでくる。

飲み物は、チャイやラッシーがいい。コーヒーやウーロン茶は普通の名前だが、チャイやラッシーは耳慣れないかもしれない。チャイとは一言で言えば、スパイス入りの紅茶である。スパイスがとれ(それゆえに大航海時代の目的地となっている)、ダージリンのような茶の名産地があるインドらしい飲み物である。ラッシーはヨーグルトドリンク。店によって個性の差がある。ミルクはむしろよいのである。飲み物からも地理が読み取れる。

ナン(パン)もライスもどちらもあるが、それはインドの気候の多様性とおそらく関係している。大雑把に言って、西のほうが乾燥しがちで小麦がとれ、東のほうが湿潤で米がとれる。これはモンスーンと山脈の配置によって形成されている現象だ。

そのほかのメニューでも、てんぷらっぽいパコラや、タンドリーチキン(骨付きチキン)、ティッカ(鶏肉を焼いたもの)など、個性豊かで楽しい。

もし行ってみたい人がいるならば、ランチを狙うことをオススメする。1000円以内で、カレー、ナン、サラダなどがついてくることが多い。ナンやライスはおかわりできる店も少なくない。辛さはどの店でも調整できると思う(保証はないよ)。インドアイテムを撃っている店もある。私は神々のポスターやDVDを買ったことがある。

もし、どこかで、不思議なインドカレーの店を見つけたら、入ってみませんか?

タイ米 味 うまいん? ( I MY ME MINE ) :ジオゴロ風に [地理人]

地理の授業で使ったタイ米が御役御免になった。再雇用で、お弁当のチャーハンの米として活躍することになった。

「タイ米はおいしくない」とか「タイ米はチャーハンにするといける」とかいう話は聞いたことがあったので、それを検証してみたくもあったのだ。

炊き方は、とりあえず鍋で沸騰するまで強火、それから弱火にして十数分、それから蒸らすという感じでやった。

そして・・・炒めた。おお、すごい。確かにフライパンに全くくっつかない。いわゆるパラパラの米状態であった。

味見してみたところ、米そのものはすかすかとしている観がないではないが、まあまあだと思われる。まずかった部分は腕のせいである。多分、うまい人が作ればいい一品が作れるだろうと感じさせるだけのポテンシャルは、タイ米に感じた。

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鉱物は好物 [地理人]

ルドンの展覧会をやっていた静岡市美術館のすぐ近くに戸田書店があるので、そこでゆっくりしてきた。

たまたまだが、そこで鉱物の販売をやっていた。メノウや水晶などきれいな鉱物がいろいろあった。授業に使えそうなものがないかと探してみると、あった。

初めにこれである。
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自然銅。きらきらしている。銅といえば、チリとザンビアだ。そこそこに大きく、授業のサンプルによいように思われる。

次はこれだ。
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鉄鉱石の一種である磁鉄鉱。名前のとおり磁力を持つ。鉄鉱石といえば安定陸塊を想起すべし。ブラジルやオーストラリア西部など。

こんなものもあった。
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サハラ砂漠の砂。ビンに入っているので毒薬っぽく見えてしまう・・・。

授業で回覧に使い、イメージの形成に役立てられそうなアイテムたちであった。ちなみに、鉱物販売は8月末まで。他にも化石の販売もあった。

戸田書店ウェブページ
https://todabooks.co.jp/fair/fair.php

データにわくわくする [地理人]

今日、『世界国勢図会(せかいこくせいずえ)2012/13』を購入しました。世界各国の農業生産、輸出入、工業、財政、通信、軍事など幅広いジャンルの統計を載せている本です。

値段は2700円と少し高めですが、これだけの統計が一堂に会しているのを見るのは壮観です。

国の特徴をつかむのにもよいのですが、統計がそのような数値になっている理由をあれこれ考えてみるのもまた一興です。無論、センター形式の問題を作るのにも使えます。今回買った主な理由はそれです。

ともかく統計を見ているといろいろな発見や考えることがあって面白いものなのです。

受験参考書としては、『データブックオブザワールド』や『地理データファイル』のほうが廉価でよいかもしれません。こちらは両方とも廉価ですが情報量はかなり多く、コストパフォーマンスに特に優れています。


世界国勢図会〈2012/13年版〉

世界国勢図会〈2012/13年版〉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 矢野恒太記念会
  • 発売日: 2012/08
  • メディア: 単行本




データブックオブ・ザ・ワールド vol.25(2013年版)

データブックオブ・ザ・ワールド vol.25(2013年版)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 二宮書店
  • 発売日: 2012/12
  • メディア: 単行本




大学受験対策用地理データファイル〈2013年度版〉

大学受験対策用地理データファイル〈2013年度版〉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 帝国書院
  • 発売日: 2013/03
  • メディア: 単行本



地理Q&A (理系) [地理人]

理系地理(アフリカ地誌)の授業で出された質問のうち、いくつかをこの場で解答しておきます。

Q ダイヤモンド生産2位がボツワナということですが、1位はどこですか?
A ロシアです(2009年の統計)。ただし他は、コンゴ民主共和国、南アフリカ共和国、ギニア、ナミビアなど、ベストテンを見てもアフリカ勢が多いようです。

Q アフリカ北側の地中海性気候ではオリーブが主で、南ではオレンジが主なのはなぜだろう?
A オリーブのほうが高温で育ち、北側のほうが温度が高めだからというのと、地中海周辺の石灰由来の土壌(テラロッサ)がオリーブにあっている、というのが主な理由のようです。

Q アフリカには気候上南北差がありますが、東西差はあるでしょうか?
A 東側はやや標高が高いためでしょうか、コーヒー豆や茶は東側でとれます。他方で、カカオ豆の産地は西側の「黄金海岸」の周辺にたくさんあります。

Q 「ゴールドコースト」ってオーストラリアじゃなかったっけ?
A それだけに限るわけではありません。他にアメリカにもゴールドコーストという地名はあります。

おまけ 暗記術各種

ザンビアで銅が採れることを覚える
「カッパが泳いでザンビアーン」
ザンビア周辺は銅がよく採れるため「カッパーベルト」と呼ばれています。今回は「カッパ」と「カッパー」をかけて見ました。「ザンビアーン」ハ泳ぐときの「ザバーン」という音です。

カカオ豆の産地(コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア)を覚える
「コートがナイスなカカオ」
コート・・・コートジボワール
がナ・・・・ガーナ
ナイス・・・ナイジェリア
きっとチョコレート色の渋くて素敵なコートなんでしょう。

ケニアの茶
「茶ニア」
静岡県には「茶ピア」というのがあるようなので、それにかけてみました。「お茶がのみたいにゃ」でも良いかもしれません。猫舌でも大丈夫かなぁ・・・?



茶@アフリカ [地理人]

3学期から、地理の授業はアフリカに入ります。アフリカは扱うテーマが多岐に渡り、われわれの構想が問われるところです。

アフリカというと、何を思い浮かべるでしょうか?自然でしょうか、アクスム王国でしょうか?クシュ王国でしょうか?それとも・・・?やっぱりサラディンでしょうか?

いろいろな切り口がありますが、アフリカには熱帯、乾燥帯、温帯(主に地中海性気候)という多様な気候帯があります。南端にはペンギンもいれば、溶けつつあるものの雪山もあります。ケッペンの気候区分を適用するにはうってつけです。

まずは熱帯の部分です。ここでは、輸出作物を作るプランテーション農業、伝統的な焼き畑農業などが見られます。前者としては、有名なカカオ、コーヒー豆などが作られています。地理をやるまで知らなかったのですが、お茶も作られている国があります。ケニアです。見つけてきました。標高が高いので、茶に適しているのでしょう。

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焼畑では、タロイモ、ヤムイモ、キャッサバなどの作物が知られています。イモ系の常として、それほど養分がなくても育つはずです。本当はカカオを食べてみたいのですが、入手できなかったのでこれで行ってみましょう。

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他に、乾燥帯のエジプトではナツメヤシが作られており、地中海性気候のチュニジアやモロッコではオリーブが、南アフリカ共和国ではオレンジが作られている、というようにケッペンの「定石」通りに展開します。一般性と個別性が地理の魅力を織り成すのです。ある程度系統地理(地形や気候)をマスターすると、各地の様子が推測できるようになることも、そして、関連させて覚えられることも、地理のよいところです。

他にアフリカの抱える課題、アフリカの資源(レアメタルとか)を扱っていく予定です。

チーズナン はぁと [地理人]

地理の影響というわけでもないが、最近インド(ネパール)料理店をよく巡っています。いろいろなお店に行ってみましたが、ランチならば大抵は安く、とても丁寧な接客をしてくださいます。

インド料理の店は、確かに神々のポスターや、異国の音楽がかかっており、客が少ない場合もあって入りにくいという印象を持つ方も多いと思います。しかし、私の経験の範囲では入ってみると、どこもなかなか居心地のよい店でした。日本語もばっちり通じる店がほとんどです。見かけたらぜひ立ち寄ってみてください。中には、地理の授業で使えそうなインドグッズを売っている店もあります。かくいう私も、神々のポスターや音楽DVDを購入しました。

ところで、私のお勧めは「チーズナン」です。ナンと言えばインドのパンですが、それにチーズがトッピングされているものです。どの店でも普通のナンに比べて値段は高めですが、味はそれを補って余りあります。特にチーズとカレーのマッチングが最高です。

なお、日本の店でもインドのいろいろな文化を感じ取ることができます。たとえば、食器には金属製のものも多いですし、肉を見ると「ビーフカレー」はまずありません。「ポークカレー」は時折見かけます。こちらはネパール系でしょうか??こういったところにもヒンドゥー教文化を見ることができますね。ヒンドゥー教では金属は浄なるものととらえています。

ぜひ立ち寄ってみてください。そして、味わいながら異国の文化にも触れてみてください。きっとおいしさだけでない発見があることでしょう。

店の紹介1 [地理人]

私の主な勢力範囲である静岡県で、海外の食材が手に入る店を紹介したいと思います。近くにすんでいる人は参考にしてください。宣伝の意味はありません。

いくつか紹介したい店はあるのですが、まずは「世界の食材市場ニッショク浜松和田店」を紹介したいとおもいます。商売道具の入手先を記すのは少しばかりためらわれましたが、世界の食材の魅惑の世界をお知らせしたいという思いのほうが強かったようです。

件の店は、JR東海道線天竜川駅のすぐ近くにあります。駅から歩いて5分とかからないでしょう。

そこまで大きな店ではありませんが、いろいろなジャンルの食材が並んでいます。記憶を頼りに描写します。入り口に米やパンやコーヒー、左側にチーズなど、その右の棚に東南アジア系の食材(タイカレー、ココナッツジュース、タピオカ粉、トムヤム麺など)、その右側に中華食材など、さらに右には各種スパイス、紅茶などがあります。一番右には、各種缶詰、油、業務用ドレッシングなどがあります。そのほか、手前の棚にはお菓子や漬物などがあります。

地理の授業のネタになりそうなものを列挙します。デンマークなどのチーズ、東南アジア食材、香辛料、オリーブ、イタリアのパスタ、中華食材、タイ米、スリランカやインドの紅茶、ヨーロッパのお菓子、などがありました。タイカレー缶入りを食べてみましたが、「マイルド」でからされベル3にもかかわらず、恐ろしく辛かったです(でもおいしかった)。グリーンカレーは、レモングラスが私には少し苦手でした。好みの問題でしょう。

香辛料なんかは、大航海時代の授業で示す教材としても使えるかもしれません。特にスターアニスなんかは、見た感じが面白いですね。

ウェブページを載せておきます。
http://www.nisshoku.biz/02_shop/index.html

アジア飲み物選手権1? [地理人]

ジャスミンティーやマテ茶、コーン茶など、いろいろな世界のお茶が(もちろん日本にあうようにアレンジされているでしょうが)身近になっています。インド料理店に行けば、店ごとに個性のあるラッシー(ヨーグルトの飲み物)や、チャイ(インドのミルクティー)なども味わうことができます。

それらの中で、地理の授業の参考に集めた飲み物を紹介したいと思います。初めは、この缶にご登場願います。

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ココナッツジュースです。ココナッツといえば、ナタデココやタイカレーに入っているココナッツミルクがまず浮かんでくるかもしれません。しかし、ココナッツジュースもあるのです。授業では勇気ある人たちが味見をしました。独特の香りがあって、予想を覆された人もいれば、意外といけるぞと思った人もいたようでした。

次は、インド代表でしょうか。
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左側は、インドのミルクティーであるチャイのインスタント版です。先にミルクティーの味がして、後にスパイスの香りが浮かんできます。癒しの一品です。いま飲みながらブログを書いています。

右側はスリランカ代表、紅茶です。セイロンティーです。これから飲みます。パックが異国情緒漂ういい感じです。センター試験には出ませんが、スリランカの首都は名前が長いことで有名です。

飲み物シリーズは、第2弾があるかもしれません。

地理上の発見 [地理人]

皆さん、ご存知でしょうか?東南アジアの国のいくつかは、その国の特産物の形に似ているということに。なお、本記事においては帝国書院の『高等学校 新地理A』の教科書を使用しています。

まず、代表的なものはフィリピンです。
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さて、何に見えるでしょうか?私には、バナナに見えます(1)。そう、フィリピンの特産品はバナナです。他にも、ココやしなどもとれます。多雨の利を生かしています。しかしながら、作物の多くを輸出に費やさねばならない、いわゆる「緑の革命」が自然にダメージを与える、など、課題がまだ多いです。

次は、インドネシアです。
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見れば見るほど、船に似ています。というよりタンカーです。原油を運んでいます。インドネシア周辺には、新期造山帯が存在するため、油田が多いのです。それに関連して、インドネシア周辺では地震や火山噴火が多い、という知識がセンター試験で出たりします。

最後はタイとベトナム。
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タイは、鎌で稲刈りをしているおじいさんに似ています。したがって、米の輸出世界一、を導きます。手がゴムのようにびよ~んと異様にのびていることから、天然ゴムも連想してください。『ワンピース』のゴムゴムの実を連想できれば完璧です。

ベトナムはなんとなく、コーヒーをかき混ぜるマドラーに似ています。したがって、ベトナムはコーヒーです。「べとべとコーヒー」と覚えましょう。世界一のコーヒー産地ブラジルを含めると「ブラックべとべとコーヒー」1人前出来上がりです。

プランテーションからの流れや各地の気候(熱帯雨林か、モンスーンかなど)・地形(三角州など)で理屈によって各地の産物を覚えるのが正攻法だと思います。しかし、熱帯で天然ゴムがとれる等を覚えるのもそれはそれで骨が折れます。時には、暗記の部分で派ちょっと怪しい方法を使うのもいいと思います。ただし、ベトナムがどうしてもマドラーに見えなかったりすると、うまくいきません。




(1)この見解に賛同しなかった生徒も多かったことは正直に告白せねばなるまい。

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