ペルシアのむかし話 [本の紹介]

エイプリル・フールにはふさわしいかもしれない。今日は、偕成社文庫から、民話の一冊、『ペルシアのむかし話』をご紹介します。

作品の出自がそもそも謎めいている。解説によると、ペルシアで『アラビアン・ナイト』に対抗して作られた『千と一日の物語』からの再話とされている。ただ、ウィキペディアによると、ルイ14世のころにフランスで生まれた物語であるという(1)。フランス版のもととなった原書あったのかもしれないが、現存はしていないという。

ただ、それはともかく、世界史的観点から見て、興味深いお話が多いので今日紹介する次第である。

まず、世界史の重要人物が民話の主役となっている。何とモーセが登場する。モーセが、神の言葉をうけ、貧しい人を救うという話だ。聖人伝風ではなく、ユーモアのある筋運びがペルシアらしい(2)。ペルシアなのにツァラトゥストラではなくモーセですけれども。さらに、アッバース王なる人が登場する話もある。ハールーン=アッラシードだろうか、王の公正さが描かれている。

次に、ペルシアの広大さを感じさせる話がある。たしかに、モチーフでいえば、毛を燃やすと助けが来るとか、助けた馬が救ってくれるとか、ヨーロッパと共通のものも多い。アフメッドをジャックやハンスとすれば、どこの国かわからなくなるかもしれない。だが、「イスマイル王子の物語」は、国から国を、砂漠を駆け巡り、ペルシアの広大さを見せてくれる。さながら『シャー・ナーメ』である。

最後に、「カラフ王子とトゥランドー王女の物語」が世界史的にはユニークだ。ティムール帝国が出てくるのだが、なぜか戦争の不利を知り、自害している。(実際は、明への遠征を企図しているとき、つまり、志半ばでの病死)。さらに、都を北京に置く中国では、アルトン王の治世が展開されている。アルトン王って誰だ?

架空歴史の部分があると思えば、「サマルカンド」「チャガタイ王」「イル王」と実在の固有名詞も出てくる。民話では登場人物は抽象化されているのが常ですので、これは民話というより歴史物語なのかもしれません。



(1)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E4%B8%80%E6%97%A5%E7%89%A9%E8%AA% 9E

(2)ペルシアには、ホジャという人物が登場する笑い話の伝統がある。


ペルシアのむかし話 (偕成社文庫)

ペルシアのむかし話 (偕成社文庫)

  • 作者: I. ヘプナー
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1990/07
  • メディア: 単行本



少年のころに戻ったように [本の紹介]

民話を探している過程で、「岩波少年文庫」に出会った。その中には、世界史に関連する文献がたくさんあることを知った。今日は、岩波少年文庫と、そこにある世界史関連の作品について書きたいと思います。

世界史関連の文献として、以下のようなものがあります。(他にもあるとは思いますが、私が周辺の書店で確認したものだけに限っておきます。それ以外はうまく書けそうもないので)

★「ドン・キホーテ」(セルバンテス)
★「ロビンソン・クルーソー」(デフォー)
★「シェイクスピア物語」
★「旧約聖書物語」
★「イーリアス物語」
★「オデュッセイア物語」
★「レ・ミゼラブル 上・下」(ユーゴー)
★「北欧神話」(「エッダ」に基づく)
★「カレワラ物語」
★「あのころはフリードリヒがいた」(赤ひげ王でも第五回十字軍でもジャガイモ栽培でもなく、 ナチスドイツをテーマにした作品です)

ほとんどは、原作の完訳ではなく、編集を含む抄訳であったり、聖書などの原作を物語化したものであったりします。

奔放な翻案やあっさりしすぎているということはなく、十分にエッセンスとともに楽しめるものとなっているところが魅力です。もちろん、これらを読んでから完訳や原書に挑戦してみるというのも素敵です。

解説はわかりやすいが本格的で、翻訳の方針などもしっかりと言及しています。むしろ、興味深いエッセイではあるが解説が解説になっていないというありがちな罠を回避しています。少年のために教養を深める解説を心掛けたのでしょう。

「少年」とつくからといって、手に取ることをはばかる必要は全くないと思います。ぜひ昔少年だった皆さんも、手に取って、少年のころに戻ったようにお楽しみください。

ここの作品については、今後紹介していく予定です。



イギリス民話集 [本の紹介]

前回の『スペイン民話集』につづいて今回は、『イギリス民話集』を紹介したいと思います。スペインとは海で隔てられているイギリス。そこにはどのようなお話がみられるのでしょうか。

イギリス民話集では、まず、語ることによって面白味が生まれるお話が紹介されています。幽霊話で、「お前だ~~~~」を大きな声でいうことでびっくりさせるような話に心当たりがありませんか?そういったものが採録されています。同じような語りが繰り返されることで、ユーモアや期待感が増幅されていくものもあります。その後、なじみ深い「ジャックと豆の木」など昔話が続きます。

「ふしぎなはなし」の特集は、民話というよりゴーストストーリーに近い感じがして、さすがはイギリスという印象です。民話集にあっていないという感じもないではないですけれども。

その次は、「こっけいなはなし」。ユーモアやばかばかしさ、とんちなど方法は違えど、くすっとさせる話の盛り合わせ。

そう、この本では昔話、ゴーストストーリー、ユーモアばなしの三本柱で構成されています。具体的なお話が気になりますね。いくつか、お話を紹介します。

「昔話」から

・「いぐさ頭巾」
娘が、父親にどれくらい好きかと問われて、「生肉にかける塩くらい」と答える話。その結果、父の逆鱗に触れ、追放される。生肉を食べる習慣があったことがわかる。実はスペイン民話集にも類話があり、こちらでは王の娘が「食べ物にかける塩くらい」好き、といって逆鱗に触れている。料理という点では、イギリスのほうが説得力がある?スペイン料理なら塩無しでもおいしいのでは、なんて……。塩は古代ローマでは給料として使われていたそうなので、塩が大切だというのは歴史的にはうなづける。

・「脳みそちょっぴり」
昔話に分類されているにもかかわらず、「脳みそを買ってくる」という発想がユニーク。脳みそを買うために難題が準備され、教訓話をも感じさせる落ちが待っている。秀逸な構成。ちなみに、「政治家の脳味噌の値段が高い」というジョークと直接の関連はないと思う。

・「トムティットトット」
名前を知られると弱ってしまう鬼の話。名前を知られるといけないという発想は、中国の字(本名ではなく、他人が呼ぶときに使われる名前)などにもみられる発想だ。スペイン民話集にも類話あり。

・「こわいものなしの娘」
こわいという感情がわからず、それを知ろうとして繰り広げられる娘の物語。スペイン民話集やグリム童話集にも類話がある。後者2つではいずれも結婚後に怖いということを知るという極めて類似した構成になっている(1)。

ゴーストストーリーは省略で、こっけいなはなしからあと一つ。

・「船につけたしるし」
船から物を落とした時に、どこで落としたかわかるように船にしるしをつけるというナンセンス。これ絶対漢文で読んだことがあるよ(2)。

離れたところで似たような話があると、なぜだろうと、その意味は何だろうとワクワクしてしまう。ほかのお話もこれから紹介していきたいと思います。



(1)ベッテルハイムによると、恐れを感じられないことは感情が抑圧されているためであり、結婚の営みによって抑圧がとかれ成熟した人間性が実現されていくことを示している、という。ブルーノ・ベッテルハイム(波多野完治 ほか訳)『昔話の魔力』評論社、pp.364-5.。

(2)調べたところ、『呂氏春秋』のようです(http://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%8F%A4%E6%96%87/%E6%95%A3%E6%96%87%E3%83%BB%E8%AA%AC%E8%A9%B1/%E6%95%85%E4%BA%8B%E6%88%90%E8%AA%9E)。こんな発想が東西で見られるとは…。


イギリス民話集 (岩波文庫)

イギリス民話集 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/10/16
  • メディア: 文庫



ホー・チ・ミン [本の紹介]

牢獄に閉ざされたら、私は何を考えるのだろうか。

今日は、たまたま古書店で出会って読んだホー・チ・ミンの『獄中日記』を紹介したいと思います。ホー・チ・ミンはWWⅠとⅡの戦間期からベトナム独立に尽力し、それを成し遂げた英雄です。

あまり触れないところかもしれませんが、ベトナム独立の父、ベトナムの英雄ホーおじさんことホー・チ・ミンは1942年にスパイ容疑で中国にて逮捕されています。そして牢獄に入ることになるのですが、その時に彼が牢で描いた詩をまとめたのが本書です。

大杉栄は「一犯一語(一般のイチゴではない)」という言葉を残し、牢獄で外国語を勉強したといいます。英雄ホー・チ・ミンは牢獄で何を考え、思ったのだろう、それが本書を手に取った一番の動機です。

漢詩であり、いろいろな思いや事柄を詠み込んでいる。むろん、やりきれない思いや悲しみを読んだ詩がある。それはそうなのだろう。しかし彼の詩には、もしかしたらそんな中でこそ輝くのかもしれないのだが、ユーモア、観察眼、未来への思いが表現されている。これが大きな特長あろう(1)。

いくつか部分的に引用することで、この辺りの雰囲気をぜひ感じ取ってください。

「米をつく音を聞く」
米はつかれるときは
とっても痛くてたまらない
だがつきおわったあとでは
綿のように真白い
人がこの世で生活するのも
これとおなじこと
苦しみはきみを磨いて
宝石とするはずだ

「分配の水」
ひとりひとりに分配される水は
容器にたった半分だけ
顔を洗うも茶をわかすも
めいめいの勝手次第
顔を洗おうとする人は
茶が飲めないし
茶をわかそうとする人は
顔が洗えない

「米をつく音を聞く」にあるように、この体験が彼にとってどのような意味を持ったのかは私にはわからない。だが、思わぬ体験が思わぬ意味を持つということは確かにあるだろう(2)。物事の意味はそれぞれが作り出すからなのかもしれないが。

辛い時にこそ勉強していくことは大切なのです。

今日のダジャレ: ホー・チ・ミンは放置された衆を救った。


獄中日記―詩とそのひと (1969年)

獄中日記―詩とそのひと (1969年)

  • 作者: 秋吉 久紀夫
  • 出版社/メーカー: 飯塚書店
  • 発売日: 1969
  • メディア: -



(1)フランクルの有名な『夜と霧』においても、収容所の中の芸術、収容所の中のユーモアという説がある。極限状況についてはわからないが、日常レベルでは苦しみの中でこそユーモアや芸術が輝くというのはわかる気がする。

(2)もちろん、えん罪を肯定することはできない。



獄中日記―詩とそのひと (1969年)

獄中日記―詩とそのひと (1969年)

  • 作者: 秋吉 久紀夫
  • 出版社/メーカー: 飯塚書店
  • 発売日: 1969
  • メディア: -



スペイン民話集 [本の紹介]

今日は、『スペイン民話集』をご紹介します。

スペインというとどのようなイメージでしょうか?シエスタでしょうか(最近は?)、太陽の沈まぬ国でしょうか、カトリックでしょうか、闘牛でしょうか?民話はどのようなスペインを描いているでしょうか?

このスペイン民話集には、19世紀ころに採録されたスペインの数々の民話が載っています。子供の話と侮るなかれ。最初は謎ばなし。謎を問うものと答える者がいて、そこから物語が生まれる。古代のオイディプス王の話にスフィンクスのなぞかけが登場するように、謎ばなしはきわめて古い起源をもつ。謎が人々をひきつけるのは、人間は真実を知ろうとするからだろう。その性が悲劇を生むのがオイディプス王であるし。もっとも民話では、謎を解いた人と結婚するとかなのだが。ただ、王女が謎を解けなければ、その謎をかけた人物と結婚するが、謎が解ければその人物は処刑というさらっと恐ろしいことが書かれているのも民話ならではだ。

お次は笑い話。私の一押しに「神の子羊」という話がある。ある人が、「奥様」といえば「『奥様』ではなくそれは『力あるお方だ』」と「訂正」し、猫といえば「鼠の狩人」だと訂正する、という話。読んでると吹き出しそうになる。

民話には教訓の機能もある。年長者や伝統のアドバイスには従えという教訓から、神の偉大さに関する教訓まである。直接教訓をぶつけられるより、お話のほうがすんなり受け入れられるのだろう。

動物昔話では、オオカミが悪役として、結構ひどい目にあっている。ついオオカミに肩入れしたくなってしまう。どの動物に同意湯イメージや役割が付着させられるかという点にも普遍性がみられそうだ。カエルがぺしゃんこになるイメージや、水に映る月を(チーズと勘違いして)つかもうとして水没するというようなモチーフ等も、ほかのところでも見られそうだ(李白の伝説もそれに近いだろう)。月=ルナ=ルナティック・・・と連想が続く。

他の民話との共通性は先行研究を見たり、ほかの民話を詳しく読んでみないとかけないので、今後に回す。ともあれ、バラエティに富んだ民話集であった。


スペイン民話集 (岩波文庫)

スペイン民話集 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/12/18
  • メディア: 文庫


きっと皆さんも「塩と同じくらい」この本が好きになりますよ。

スペードのクイーン [本の紹介]

それほど気にしていたわけではないのだけれど、光文社古典新訳文庫でプーシキンの『スペードのクイーン』(一般的には『スペードの女王』)が発売されたので、読んでみた。そうしたら、期待をはるかに超えて面白かった。

話は、ギャンブルに絶対に勝てる方法に始まる。あるおばあさんがその方法を知っている。ドイツ系の男性ゲルマンは、その方法をおばあさんから聞き出そうとするが…。ショートショート的というか、怪奇小説的というか、そんな作品。ぽんぽんたるいいテンポで読める作品です。ロシア文学にありがちな、名前を見ただけで(とても長いなんとかニコフさんとか)いやになるということもありません。

ちなみに、カードゲームのタイトルは「ファラオ」らしい。シンプルで熱くなりそうなルールなので、賭けはなしで遊んでみたい。注でルールも説明されている。

ほか、「ベールキン物語」を収録。決闘で相手を殺さなかった男の数奇な運命を描いた作品、変装して恋人を惑わす話、などを含んでいます。いずれも、ちょっと変わった人生の一断面を描いたた作品です。

解説では、作品のいろいろな読み方を紹介している。スペードのクイーンには、暗号がちりばめられているという説や、精神分析の概念を用いて読み取るものなど、多様な読み方が説かれています。もちろん、何もそう言った予備知識なしで(自分もそうでしたから)面白く読めます。スリリングとかわくわくという種類というよりは、作品に描かれた人生に吸い込まれていくような面白さです。

そのほか、解説では、ウイーン体制下のロシアの社会状況についても分かりやすくまとめています。プーシキンが、若くして決闘で死んだというのにはびっくりしました。


スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: プーシキン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/02/10
  • メディア: 文庫



王書(シャー・ナーメ) [本の紹介]

何気なく読んでみて、とても面白かったので、『王書』(『シャー・ナーメ』)を紹介したいと思います。

作者はフェルドゥスィー(フィルドゥシー)で、10~11世紀ころのイランの人物です。アラブ人の勢力増大の時代に、ペルシャの高揚を願った作品です。内容は、神話の時代からササン朝にいたるまでの、各王の物語的伝記です。本当はササン朝の王について読みたかったのですが、本作では省略されており、神話~英雄時代のおもなストーリーが描かれています。

最初のほうにペルシャ流火の起源の神話があります。その後、前半最大の見せ場「蛇王ザッハーク」の物語が登場します。蛇といえば邪悪なものを象徴することが多いですが、ザッハークは、悪魔の声に耳を貸し、先王を破り、王に上り詰めていきます。体から蛇が生えてくるゆえに「蛇王」となります。王位についた彼は、悪政を敷き、人々を蛇の犠牲としていきます・・・。

後半には、圧巻の英雄ロスタム~悲劇のソフラーブにつづく一連の物語があります。ロスタムは、ペルシアで大人気の英雄らしく、七の試練を超えて(本書では割愛)、不敗不倒の英雄となります。しかし、彼はああ悲運、自らの子ソフラーブど知らずとはいえ矛を交える運命に向かっていったのです。運命はいかにして二人を逃れられぬ渦に巻き込んでいくのか、戦う二人はどうなるのか?

ロスタム、そしてソフラーブの一騎当千ぶりも三国志ばりに描かれており、二人はとても強さが描かれ、話の中で必然的にも戦いに向かっていくので、悲劇性がとても高く、我々にはページをめくるほかすべはありません。

この後でササン朝の時代となるのですが、そこは本翻訳では割愛されています。

また、宿命論と無常観もこの作品に独自の色彩を与えています。いたるところに、「人々は天の輪に絡み取られる」や「儚いものだ」といった記述がみられます。そういえば同じくイランのウマル=ハイヤームの『ルバイヤート』も無常観が強く見られます。アレクサンドロスからイスラームまでの攻防が展開されたかの地でこそ、無常観が実感を持って描かれたのかもしれない。


王書―古代ペルシャの神話・伝説 (岩波文庫)

王書―古代ペルシャの神話・伝説 (岩波文庫)

  • 作者: フェルドウスィー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/04/16
  • メディア: 文庫



ツインズ・マスター [本の紹介]

今日は、山川の世界史問題集、『ツインズ・マスター』を紹介します。

『スピードマスター』に似た名前ですが、『ツインズ・マスター』とはどのような問題集でしょうか?

紹介しましょう。この問題集では、まず、左ページで空欄補充問題を解きます。そして次に、右ページで同じ語句を一問一答式で復習します。具体例を挙げます。左ページには、○○○○○○(尊厳者)の称号を与えられたオクタウィアヌス・・・という空欄補充問題があります。そして右には、オクタウィアヌスに送られた称号は何か?という一問一答の問題があります。このように、左と右で二回繰り返すことによって定着を図る、というコンセプトのもと創られている問題集です。

解答すべき語句の大部分は標準的なものです。ただし一部、「バクティ」「シノワズリ」「カーリミー商人」などの細かい語句もあります。

大きさは一般的なノートのサイズなので、『スピードマスター』に比べると持ち運びが不便かもしれません。

内容や形式から考えて、普段の授業の復習や、基本用語の反復学習にてきした問題集であると思われます。なお、地図や写真などの参考資料も比較的多く掲載されています。地図問題も右下にあります。

(長所)
・穴埋めと一問一答の二つの形でアウトプットの練習ができる。
・基礎固めに必要な用語が厳選されている。
・文化史、人物に関する写真が載っている。

(短所)
・穴埋め問題の解答欄に文字数が四角の数で示されているため、不要なヒントになってしまうかもしれない。

・細かい用語の演習をしたい人には物足りない。

日常学習の伴侶に適した問題集だと思います。



世界史B高校世界史基本用語問題集ツインズ・マスター

世界史B高校世界史基本用語問題集ツインズ・マスター

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2014/12
  • メディア: 単行本



こっちはスピードマスターです。


30日完成スピードマスター世界史問題集世界史B

30日完成スピードマスター世界史問題集世界史B

  • 作者: 佐々木 巧
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本



世界の切手 [本の紹介]

本屋さんで、たまたま『世界の切手コレクション』(創刊号)という雑誌を見つけました。クック諸島の切手、キューバ切手、列車を描いた切手、サプライズ切手の付録がついて、何と創刊号特価の190円でした。

雑誌部分では、付録切手がどのような特徴を持っているかを解説し、日本にはどのような切手が現在流通しているか、占領政策によって切手はどのような影響を受けるか、などを解説していました。

また、付録ではありませんが、ゲバラやカストロの切手の写真とともに、キューバの現代史を解説するコーナーもありました。ゲバラたちの切手は、かっこいいものでした。切手に、社会情勢や出来事が描かれていることがよくわかる特集です。

次号からは1000円くらいになりますが、ところどころは買ってみようかなと思っています。

ちなみに次号は、ルーマニアの切手などが付録でつくらしい。


世界の切手コレクション 2014年 9/24 号 [分冊百科]

世界の切手コレクション 2014年 9/24 号 [分冊百科]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: アシェット・コレクションズ・ジャパン
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: 雑誌



書店めぐりへ [本の紹介]

休み期間を利用して、大型書店と、数件の古書店へ行ってきました。買った本と簡単なコメントを載せておきます。ちなみに言ってきた書店は、静岡市の大きな戸田書店、その近くの商店街のいくつかの古書店です。

1冊目はホカート『王権』岩波文庫。帰りの電車でさっそく読み始めました。王は神(太陽)やその代理者であり、それゆえ王は病を治癒する権能を持つ、という話や、戴冠式の聖性やその共通性などがこれまで読んだところで書かれていました。具体的事例も面白いですし、著者の推論や論理の組み立てもキレが良いです。これは新刊で買いました。

2冊目は西洋中世綺譚集成の1冊『皇帝の閑暇』です。皇帝の慰みのために、筆者が各地で集めてきた見聞を紹介している作品です。磁石が奇妙な石として紹介されていたり、ヴェルギリウスが魔術師になっていたり、腐らない食物を紹介したりというのが、今まで読んだところにはありました。この作品で中世を感じていきたいと思います。古書で250円でした。私が買ったのは単行本ですが、現在は講談社学術文庫の1冊として出版されています。

3冊目は中国古典新書の1冊『資治通鑑』です。宋の司馬光の作品。ただし抄録です。これは300円でした。


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