ネーデルラント旅日記 [本の紹介]
ルネサンス時代のヨーロッパを旅してみませんか?
先日たまたま古本屋さんで、アルブレヒト=デューラーの『ネーデルラント旅日記』という本に出会いました。本日は、その本を紹介したいと思います。
デューラーは、版画に優れた芸術家で、聖書を題材にした作品を多く残しています。そのデューラーが、年金の支給を願いに旅に出るのですが、その時のお金のやり取りを中心とする記録が本書です。
○○に××ペニッヒ渡した。□□を××シュトゥーバーで買った・・・というような記録がずらりと並んでいます。それが面白いのか、ということですが、なかなかどうして、興味深い作品です。
どのような興味深さがあるのでしょうか。
1つには、当時の社会の様子が浮かび上がってくるからです。関所の制度や交通、当時の品物や時折出てくる祝日の描写などから当時の人々が見えてきます。
2つには、ルターへの評が秀逸です。誤報なのですが、「ルターが死んだ」という情報が載せられています。それを受けてデューラーはルターの教えはまさに福音であることを情熱的に数ページを使って述べています。全体的に数字の記録が延々としている本書としては異色の部分です。宗教改革がいかにインパクトがあったかが見えます。
そのほか、どのような品物が当時は高値だったのかを見たり、日本の物価と比べてみたり、「魚のひれ」などの奇妙な商品に驚かされたり、ギャンブルに負け続けているデューラーの様子を見たり、当時の病気が治るまでの長さを見たり、いろいろと見どころはあります。
ルネサンスのころの社会史や経済史や暮らしに興味がある方は、読んでみるのも一興かと思います。
先日たまたま古本屋さんで、アルブレヒト=デューラーの『ネーデルラント旅日記』という本に出会いました。本日は、その本を紹介したいと思います。
デューラーは、版画に優れた芸術家で、聖書を題材にした作品を多く残しています。そのデューラーが、年金の支給を願いに旅に出るのですが、その時のお金のやり取りを中心とする記録が本書です。
○○に××ペニッヒ渡した。□□を××シュトゥーバーで買った・・・というような記録がずらりと並んでいます。それが面白いのか、ということですが、なかなかどうして、興味深い作品です。
どのような興味深さがあるのでしょうか。
1つには、当時の社会の様子が浮かび上がってくるからです。関所の制度や交通、当時の品物や時折出てくる祝日の描写などから当時の人々が見えてきます。
2つには、ルターへの評が秀逸です。誤報なのですが、「ルターが死んだ」という情報が載せられています。それを受けてデューラーはルターの教えはまさに福音であることを情熱的に数ページを使って述べています。全体的に数字の記録が延々としている本書としては異色の部分です。宗教改革がいかにインパクトがあったかが見えます。
そのほか、どのような品物が当時は高値だったのかを見たり、日本の物価と比べてみたり、「魚のひれ」などの奇妙な商品に驚かされたり、ギャンブルに負け続けているデューラーの様子を見たり、当時の病気が治るまでの長さを見たり、いろいろと見どころはあります。
ルネサンスのころの社会史や経済史や暮らしに興味がある方は、読んでみるのも一興かと思います。
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