吸血鬼 [中世ヨーロッパ]

6月18日、静岡新聞より。

ブルガリアで、700年ほど前の人骨が発掘された。それは「吸血鬼」のものだという。胸に鉄が打ち込まれ、歯が抜かれていたという(1)。

どうもそれは、死体の復活を防ぐために行ったようである。歯を抜いたのは吸血を防ぐということであろう。

700年前というと、おおよそヨーロッパでペストという病気が流行した頃である。ベストは、黒死病(肌がどす黒くなって死ぬ)とも呼ばれる、ねずみが媒介する病気である。いまは抗生物質で治療できるが、当時は猛威をふるい、人口を激減させ、社会を変動させた。このような不安に満ちた社会状況も、吸血鬼騒ぎに関係しているのではないかと想像される。不安な社会ではオカルティズムやなぞの予言者が跋扈するものである。

吸血鬼そのものは、信仰の道から外れたものが吸血鬼になるというような考えがあったり、にんにくなどの退治方法にいろいろな伝承が絡んでいたりして興味深い。


同時に、吸血鬼の伝説は作家の創作心をくすぐるものであるようだ。ブラム=ストーカーの『ドラキュラ』やレ・ファニュの『カーミラ』などが代表的である。(残念ながら、ミステリやSF,幻想小説や怪奇小説などの多くは世界史では登場しない)。

私もついブログの記事を書いてしまった・・・。


(1)『静岡新聞』6月18日、朝刊。
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